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暮しを楽しむの手帖
namipan(ナミパン)#2 諫早市海津町の“暮らしに寄り添うパン屋さん”。人気店の美味しさを支えるオーナーのこだわりと愛

長崎県諫早市貝津町

諫早市貝津町の路地裏でオープンしている隠れ家的パン屋さん「namipan(ナミパン)」。青空に映える白い外壁が印象的な地中海スタイルの店舗の中に入ると、ショーケースにできたばかりの手づくりパンが陳列されており、こんがりと焼けたふくよかな芳香が漂っています。

「当店のパンづくりは、当日の朝から小麦粉をこねて生地を発酵させる“常温発酵”を採用しています。夜に仕込むオーバーナイト法に比べて難しく手間もかかりますが、その分、ふんわりと柔らかな食感と小麦の香りが感じられるのが特徴です」

そう教えてくださったのはオーナーの並川千寿子さん。今回の記事では、そんな並川さんが大切にしているnamipan(ナミパン)のこだわりについて伺っていきたいと思います。

生活をちょっと彩るような美味しいパンを届けたい。主婦ならではの“気軽に入りやすい”工夫も

「namipan(ナミパン)」というお店の名前の由来を教えてください。

並川さん:名字が並川なので、「なみちゃん」と呼ぶ友人がいるんです。その子から「なみちゃんの『なみパン』でいいんじゃない?」と提案されて決まりました。店のロゴもグラフィックデザイナーの友人に相談して作ってもらったもの。自宅で飼っている白い犬をモチーフにしてほしいとお願いしたところ、素敵なデザインを持ってきてくれたので即決でしたね。

お店のコンセプトはなんでしょうか。

並川さん:「暮らしに寄り添うパン屋さん」ですね。私自身が、ふらっと入れるような街に馴染んだパン屋さんが好きなので。この店がある西諌早エリアは高齢の方や子育て中のファミリー層が多いので、高級志向のパンではなく、生活をちょっと彩るようなリーズナブルで美味しい手づくりパンを提供しています。

※Instagramより
内装や外観で、気に入っているポイントがあればお聞かせください。

並川さん:ひとつは解放感。天井を高くしつつ、店舗と工房の間にガラス窓を設けることにお客様に広く感じていただけるよう設計していただきました。もうひとつは厨房のオーブン。パンによって最適な焼き方が異なるので、放射熱でじっくりと焼き上げる“デッキオーブン”と熱風を滞留させて素早く焼成する“コンベクションオーブン”の2種類を導入しているんですよ。

店舗側は木材が多く使われていて、すごくアットホームな雰囲気を感じます。

並川さん:ありがとうございます。木のナチュラルな感じが好きなので、たくさん取り入れていただきました。実は、ショーケースも施行した建設会社がオーダーメイドで設計してくれたもの。小さいお子さんがいるママたちは自分でトングを使って取るスタイルだと気軽に来店しづらいかなということで、スタッフが注文を受けて商品をショーケースから取り出す対面販売を採用しました。

種類によって生地を使い分け。九州産の小麦を使用したバリエーション豊かなパンづくりへのこだわり

お店の雰囲気にマッチしたショーケースには、たくさんのパンがズラリ。いろんな種類を販売していらっしゃいますが、パンづくりのアイデアはどこから生まれるのでしょうか。

並川さん:一番はインスピレーション。旬の食材を見て「これとこれを組み合わせたら美味しいかな」と考えたりしますね。まぁ、自分の好きな食材を使う傾向がかなり大きいですけど(笑)。あとは、自分が「あのパン美味しかったな」と感じた他のパン屋さんの商品をヒントに、自分なりにアレンジを加えて作ることもありますね。

パンの中でも大切な材料と言えば小麦粉。並川さんの小麦粉へのこだわりを教えてください。

並川さん:小麦粉は佐賀県産の「さちかおり」や熊本県産の「南のめぐみ」など、基本的に九州産のものを使っています。当店ではベーグル、メロンパン、フォカッチャなど、パンによって小麦粉の配合や発酵時間などを細かく調整。毎日、10種類以上の生地を使い分けることによって、変化に富んだパンがショーケースに並ぶよう心掛けています。

※Instagramより
パンづくりにおいて、特に大事にしているポイントはどこですか?

並川さん:やはり生地でしょうか。こねる、発酵、成形、二次発酵、焼き上げ…と何時間もかけながら多くの工程を踏むのがパンづくり。だから、最初にミスをしていると時間も労力も無駄になってしまうんですよ。基本的に朝4時から私ひとりで仕込んでいるので、うっかり、がないように細心の注意を払いながら作業しています。

並川さんが感じている、パンの魅力を教えてください。

並川さん:発想の自由さ、ですね。ウチの店にも、フランスパン、食パン、菓子パンに総菜系のパンなど、食感も味も違うバリエーション豊かなパンが並んでいますけど、ほとんどの商品が元をたどればただの小麦粉。そこに水や塩、イーストといった材料を加え、こねて発酵させることで色んな種類のパンを作ることができる。その無限の可能性こそ、多くの人にパンが愛される理由なのかなと感じますね。

「パン生地って同じ分量でも気温や温度によって状態がかなり変わるので、発酵時間は毎日違うんですよ。ちょっと目を離した隙に容器から溢れ出ていることもしばしば。まるで小さい子どものお世話をするような感覚ですが、それも含めてパンってかわいいなと思います」

暮らしに寄り添うをモットーに、気軽に立ち寄りやすい“店づくり”とバリエーション豊かな“パンづくり”にこだわっている諫早市のnamipan(ナミパン)。並川オーナー愛情とワクワク感がたっぷり詰まったこだわりパンをぜひ味わってみてくださいね。

※店舗に駐車スペースはありますが、道路は乗用車1台分ほどの幅なので大きい車や運転が不安な方は徒歩2分ほどの場所にある専用駐車場をご利用ください。専用駐車場の場所はこちら

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
namipan(ナミパン)

長崎県諫早市貝津町2989-2 ( Google MAP

営業時間:

11時~16時(完売次第close)
※定休日:木・日

TEL: 080-6344-3865

URL:https://rebake.me/shops/nagasaki/isahayashi/1499