平坂製薬#2 発祥の地・長崎市から時津町へ

平坂製薬

創業から100年以上の歴史を持つ長崎の製薬会社・平坂製薬。主力商品のへデクパウダー、コーフパウダーは日本全国で常備薬として長く愛用され続けています。

そんな平坂製薬の社屋が平成26年に長崎市内から時津町へ移転しました。戦後、0からの復興を遂げた長崎の地から時津へ。移転のきっかけや新社屋での窓口販売・通販への取り組みについて、顧問・平坂謙次さんと専務・平坂修平さんにお話を伺います。

薬事法の改正という時代の流れ沿った前向きな移転

平成26年に長崎市内から時津町の新社屋へ移転されました。移転をするきっかけは何だったのでしょうか？

平坂顧問：薬事法がだんだんと厳しくなっていったことが非常に大きいですね。元々は金屋町に社屋があったのですが、木造だったこともあり許可がおりない可能性が高くなりました。また老朽化で漏電等による火災の不安もありましたので、広い土地に工場も含めて建てようと今の場所に決めました。

現在の社屋では、自社製品の窓口販売も行っていらっしゃいますね。

平坂専務：当社は製薬会社ではあるのですが、薬の会社ということでたまにお買い求めにご来店されるお客様がいらっしゃいます。そうした地域のお客様に対応できるようにと窓口販売も行っています。

平坂顧問：広さや相談室など決まりが色々とあって、販売営業の許可を取るのには非常に苦労しましたね（笑）。

平成の薬事法改正で一般用医薬品のインターネット販売が可能になってからは、オンラインショップも運用されています。

平坂専務：基本的に当社は医薬品を製造して薬局などに卸すという方がメインの事業ですので、自社のオンラインショップで医薬品を販売することは副次的なものになります。取引先の店頭やオンラインショップでご購入いただく方が、利便性があったりするので、基本的にはそちらをお勧めしているのですが、「服用するものだから製造元で購入したい」というお客様もいらっしゃいますので、そういったお声に対応しようと自社での店頭・通販も行っています。

お客様のご要望や時代の流れに沿って挑戦をされているんですね。ところで、社内に薬剤師の免許をお持ちの方は何名くらいいらっしゃるのですか。

平坂専務：工場の責任者を含めて4名在籍しています。たまに、全員が不在にしているときは、自社の窓口での販売ができない場合がありますのでご注意ください。

最近は懐かしいCMキャラクターを活用したオリジナル商品やSNS等に力を入れていらっしゃいます。社内外の反応はいかがでしょうか？

平坂専務：大正の創業当時から長崎を拠点にしている当社ですが、意外にも県内では長崎の会社だということをご存じない方もいらっしゃって「県内の企業だったの!?」と驚きの声をいただくこともございます。また、SNSを活用し始めたことで、長崎在住の方はもちろん、日本全国のご愛用者の方と繋がることができ、「へデクパウダーをお守りのように持ち歩いています」といったたくさんの応援の声をいただき、大変励みに思っています。