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熊本県八代市横手新町
八代市横手新町の大通り沿い、ライトブルーの店頭幕が印象的な「お食事処莞爾(かんじ)」。玄関の扉を開けると、天井からは色とりどりの和傘が吊るされ、壁には和柄の帯や手ぬぐいが粋にレイアウトされています。
「ここは居抜き物件だったので、空間が少し寂しかったんです。せっかくなら料理と一緒に店の雰囲気を楽しんでもらいたい、と和の装飾品を配置しました」
オーナーの成田周平さんが胸を張って紹介する飾り付けは、八代妙見祭で奉納される伝統芸能・獅子舞をモチーフにお嬢さんが担当してくれたのだそう。今回は、そんな温かい雰囲気に包まれた「莞爾」のこだわりについて詳しくお話を伺いました。

成田さん:店内にキッズルームを完備していること。テレビでYouTubeを見たり、トランポリンで遊んだりと、子どもたちが退屈せずに過ごせるように工夫しています。一部屋まるごと使ってキッズルームにしているので広々としていますし、隣の個室との間にあるふすまを開ければ、大人はワイワイと宴会を楽しみながら遊んでいる子どもを見守ることができるのが特徴です。
成田さん:私の経験からですね。以前、孫を連れて飲食店に行った時に「小さなお子様連れはちょっと…」と断られることが何度かあったので、「子連れで安心して食事ができる飲食店はニーズがあるかもしれない」と考えました。おかげさまで、ファミリー層のお客様の来店も多く、「子連れだとなかなか外食や飲みに行けない」という方々のリフレッシュの時間になっているのではないかと思います。

成田さん:野菜などは、できるだけ地元の農家さんが生産した食材を使うようにしています。地元で採れた農作物は新鮮ですし、なにより、八代の飲食店として地元に利益を落としたいという想いがありますから。日々の仕入れは私自身が行っているのですが、野菜の直売所やスーパーの産直コーナーには足を運び、お世話になっていますね。
成田さん:やはり、アジは長崎県産が美味しいですからね。ワンフローズンのアジフライではありますが、新鮮なアジを使っているので、臭みがなくジューシー。油で揚げれば、衣のサクサクとした食感と、肉厚でふっくらふわふわな身を味わっていただけます。ランチのみの提供ですが非常に人気があるメニューのひとつなんですよ。

成田さん:基本的に仕入れているのは、ホルモン鉄板用の豚ハラミ。豚1頭から少量しか取れない希少部位で、食べ応えのある弾力とジューシーな旨みが特徴です。赤身肉に近い見た目をしているので、お客様には「これ、ホルモン?普通の肉じゃないの?」と言われることも多いのですが、ハラミ(横隔膜)は分類上、ホルモン(内臓肉)になるんですよ。
成田さん:基本的にウチの店のホルモン料理は「もっこすホルモン焼き」だけ。質の良い国産の豚ハラミを安定して仕入れることができるよう、熊本や福岡など、複数の精肉店から仕入れるようにしています。ただ、冬場はもつ鍋も提供しているので、その期間はシマチョウやマルチョウなど牛の白モツと呼ばれる部位も必要。もちろん、質にはこだわって良い状態のものを持ってきてもらっています。

成田さん:丁寧なスジ抜きですね。牛スジと違い、豚のスジは炒めるだけでも食べられるのですが、どうしても食感が少し硬くなってしまいます。調理をする前に手作業でスジを取るというひと手間を加えることで、ハラミ本来の食感と美味しさを引き出しているんです。
成田さん:ホルモンは「放るもん(捨てるもの)」が語源と言われていますが、豚は「鳴き声以外は全部食べられる」と言われるほど優れた食材です。本来であれば捨てるはずだった部位を、長年培った経験と技術で美味しく調理し、お客様に喜んでもらう。料理を作って、利益追求と社会課題解決を両立させるサステナビリティ経営に取り組めるのもホルモンの魅力だなと感じていますね。

キッズルームの設置による子育て世代への配慮、そして地元食材や希少部位へのこだわり。お食事処莞爾の根底には、お客様への深い愛情と食材を無駄なく美味しく活かそうとする料理人の矜持がありました。
「うちのホルモン鉄板焼きのポイントは、味噌玉の製法を取り入れた独自配合の味噌で炒めること。かなり長い時間をかけて研究・改良を加えた唯一無二の美味しさが自慢です。また、当店は120分飲み放題コースもやっていますので、宴会としてもぜひご利用ください」
成田さんが胸を張ってオススメする看板料理のホルモン鉄板焼き」。次回はいよいよ、その気になる味
を食レポしますので、ご期待ください。
取材・執筆/Komori Daigo

熊本県八代市横手新町20-4 1F ( Google MAP )
営業時間:
昼11:30~14:00/夜18:00~22:00(水曜定休)
TEL: 090-5727-2570