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暮しを楽しむの手帖
雲仙温泉青雲荘#2 自家源泉の「美肌の湯」を心ゆくまで。1日440トンの湯量を誇る源泉かけ流しの秘密

長崎県雲仙市小浜町雲仙

雲仙温泉街のメインストリートから徒歩15分と少し離れた場所に佇む「雲仙温泉青雲荘」。色づいてきた落葉樹のグラデーション、清水川のせせらぎなど、より雲仙の自然を感じることができる青雲荘は、国内でも数少ない「源泉かけ流し」の贅沢な湯浴みが楽しめる場所です。

雲仙の大自然に囲まれ、日々の喧騒を忘れて「美肌の湯」として親しまれている乳白色のお湯ゆっくりと浸かる…。そんな至福の時間を支えているのは「湧出する豊富な湯量とスタッフによる徹底した管理へのこだわり」と営業課主任の猶塚雄斗さんは微笑みます。そこで今回は、青雲荘が誇る温泉の秘密についてお話を伺いました。

※公式サイトより

徹底された管理が生む本物の温泉体験

自家源泉を持つ青雲荘。まずは、温泉へのこだわりを教えてください。

猶塚さん:当館は全国でも珍しい“敷地内に自家源泉を有した宿泊施設”。毎日440トンという豊富な湯量を確保していることできることもあり、4つのこだわりを大切にしています。ひとつめは「全て源泉かけ流しであること」、ふたつめは「源泉から直引きしていること」、そしてみっつ目が「毎日の清掃」。これらを徹底することで、常に安心・安全な温泉をお客様に提供しています。

自家源泉ならではの強みですね。では、泉質について詳しく教えていただけますか。

猶塚さん:泉質は弱酸性の「単純硫黄泉(硫化水素型)」。湧出した直後は無色透明なのですが、空気に触れて酸化することで独特の乳白色に変化するのが特徴です。古くから薬用効果が高く、湯治にも利用されてきました。また、PH4.3という人の皮膚や化粧水に近い数値であり、肌に優しいため「美肌の湯」とも呼ばれています。

※公式サイトより
「源泉かけ流し」とは、具体的にはどのような状態を指すのでしょうか。

猶塚さん:「かけ流し」とは、湧き出た天然温泉を循環させずに常に1回きりで浴槽に注ぎ、そのまま流している状態です。当館では露天風呂、内湯ともにこの方式を採用しており、まさに「かけて、流して」います。

それだけの規模でかけ流しを維持するには、清掃や管理が大変ではないですか。

猶塚さん:そうですね。単純硫黄泉は「湯の花」などの付着物が多くなりやすい性質がありますが、お客様に本物の温泉をご堪能いただくため、日夜最大限の努力をしています。その役割を担っている中心的存在が温泉管理スタッフ。レジオネラ菌などが発生ないよう、毎日浴槽から完全にお湯を抜いて毎日2時間ほどかけて丁寧に清掃を行っています。これも自家源泉を持つ当館ならではの特色です。

※公式サイトより

趣の異なる青雲荘の湯船と歴史を刻む小地獄温泉館

青雲荘では露天風呂・大浴場(内湯)・貸切風呂と3つのお風呂が楽しめます。それぞれの特徴を教えてください。

猶塚さん:露天風呂は、目の前の自然と近くを流れる川のせせらぎを感じながら、ゆっくりとくつろいでいただけます。大浴場は天井が高く広々としており、開放感の中で落ち着いて入浴できるのが特徴。貸切風呂は広さの違う2種類をご用意しており、カップルやご夫婦、お子様連れのご家族で名湯を独り占めできるのが魅力です。

青雲荘から少し歩いたところにある「小地獄温泉館」も人気ですね。

猶塚さん:小地獄温泉館は、青雲荘本館とはまた違った、秘湯のような独特の雰囲気があります。建物は平成5年に建てられた木造建築ですが、温泉成分の影響で外観が真っ黒に変色しており、まるで映画の世界のような佇まい。源泉が建物のすぐ裏にあるため、まさに「源泉直下のかけ流し」を楽しんでいただけます。

※公式サイトより
青雲荘、小地獄温泉館のどちらも日帰り入浴でたくさんのお客様が訪れていると聞きました。

猶塚さん:青雲荘では年間約5万人、別館の小地獄温泉館では約4万5千人の方にご利用いただいています。平日には地元のご年配の方も多くいらっしゃいますし、小地獄温泉館はその泉質の良さから県外のファンも多いですね。

最後に、お客様に最高の温泉時間を楽しんでいただくために心がけていることをお聞かせください。

猶塚さん:当館の源泉は60度以上で湧き出しており、それをパイプで青雲荘・小地獄温泉館へと分配する過程で自然に冷ましながら浴槽へそそぐ仕組みをとっています。季節や天候によって外気温が変わるので調整するのは非常に大変なのですが、お客様が素敵なひとときを過ごせるよう繊細な温度管理を心がけていますので、ゆっくりとおくつろぎいただければ幸いです。

※Instagramより

それでは最後に、青雲荘と小地獄温泉館の日帰り入浴のご案内です。

青雲荘の日帰り入浴の実施時間は11:00~18:00。予約は不要で、露天風呂・大浴場が「大人 880円/小学生以下 440円/3歳以下無料」、貸切風呂が「1室 2,500円(50分)」となっています。入浴後はレストランドアマリリスで食事をとることも可能です。

小地獄温泉館は季節によって営業時間が変わります。5月~10月は9:30~20:00、11月~4月は9:30~19:00。原則、毎週水曜が定休日となっています。料金は大人500円、小学生以下250円、3歳以下無料。温泉マニアも唸る秘湯をぜひお楽しみください。

次回は、地元の食材をふんだんに使った「料理」のこだわりについてご紹介します。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
雲仙温泉青雲荘

長崎県雲仙市小浜町雲仙500-1 ( Google MAP

TEL: 0957-73-3273

URL:https://www.seiunso.jp/