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暮しを楽しむの手帖
美食屋月#1 八代に誕生したオシャレで美味しい飲食店。バイタリティ溢れる女性オーナーの魅力に迫る

熊本県八代市本町

2025年5月、八代市中心部に管理栄養士が手がける料理が味わえる飲食店「美食屋月」がオープンしました。ランチとディナーの2部営業を行っている店内は明るくお洒落な雰囲気。女性一人でも入りやすいと好評の同店を運営しているのがオーナーの松永潤さんです。

「家庭的な定食から贅沢な和牛ヒレステーキ、お酒に合う一品もの、甘~いスイーツなど、私たちが美味しいと思う料理を提供しています。昼と夜で内容が変わらないのも大きな特徴。自慢の手づくりの味とマスク越しでもわかる笑顔でお客様をお迎えしているんですよ」

飲食店経営のほかにも、美容サロンやアートの講師など様々な事業に携わっている松永オーナー。人を惹きつける瑞々しいバイタリティと人柄を持つ彼女の魅力を紐解くべく、これまでの経歴と美食屋月のオープンに至るまでのお話をインタビューしていきたいと思います。

30歳で生まれ故郷でオープンしたスナック。八代市民に愛された屋号を復活させた孝行息子の存在

では最初に、松永さんのご経歴を簡単にお伺いしていきたいと思います。

松永さん:私は30歳の時に生まれ育った八代の街でスナック『pub・eau(パブ・オー)』を開業。おかげさまで常連さんもたくさん通ってくださっていました。その傍ら、マッサージやエステなど元々興味のあった美容・健康系の資格を取得。それを活かして美容サロンを設立し、昼間はサロン、夜はスナックと二足の草鞋生活をしていましたね。

42歳の時、約12年間営業してきたスナックを閉店。サロンの活動を本格化なさいます。

松永さん:専用の染料を用いてファッションタトゥーを施す“ボディアート”やグリッター等を使用して体にキラキラしたアートを描くボディジュエリー、透明なボトルの中にカラフルな砂を入れて模様を作る“グラスサンドアート”の講師として活動。また、ブライダルボディジュエリーの依頼も受けていて、花嫁姿のお客様が喜んでいらっしゃる姿はとれも嬉しくなりましたね。

※Instagramより
しばらく飲食業界から離れていた松永さん。ある出来事をきっかけに再び八代のネオン街に舞い戻られました。

松永さん:息子が「バーを開きたい」と言い出したんですよ。元々、東京で仕事をしていたこともあって故郷でいろんな事業をやりたいというエネルギーがすごくて。「みんなが気軽によれる店があったらいいな」という想いを3年前に実現。この建物の7階に出店したんですけど、なんと『pub・eau(パブ・オー)』という屋号を復活させてくれたんですよ。

それは嬉しい。まさに孝行息子ですね。

松永さん:息子から「経験者やけん、手伝ってほしい」と要請があったのでバイトリーダーとして飲食業界に復帰。正直、かなりブランクがあったので不安もあったのですが、私がスナックをやっていた頃の常連さんたちが「パブ・オー復活したとって?」と足を運んでくださって。本当にありがたいなと思いましたし、人とのご縁の大切さを再確認しました。

※Instagramより

八代の“管理栄養士がいるお店”へ。一歩を踏み出した先で感じた大切な人との縁

そして今年(2025年)、本格的な飲食店として「美食屋月」が開業。なぜこのタイミングで新しいチャレンジをしようと思われたのでしょうか。

松永さん:ひとつはバーの経営が軌道に乗ってきたこと。それにより息子を代表として新会社を設立し、私が個人で展開していたサロンや講師事業を会社の事業として加わりました。もうひとつはこの物件が空いたこと。元々、八代で飲食店を開きたいと考えていたのですが、パブ・オーと同じ建物かつ1階の店舗ということで「この機会にやってみよう」ということになりました。

新しい一歩を踏み出す勇気…!ビジネスに必要不可欠なものですね。

松永さん:ただ、私も息子も料理人ではないので、調理を担当してくれる人材が必要。その時、真っ先に思い浮かんだのが店長の乾愛美さんでした。彼女は福岡出身で息子と同い年。八代で調理の仕事をしていて、息子の店にもよく遊びに来てくれていたんです。2年前、彼女が地元へ戻ることになった時は「いつか福岡に店だしたら手伝ってね!」とお願いできるほどの間柄になっていました。

その「いつか」が想定よりかなり早くなった、と。

松永さん:そうです(笑)。思い立ったら即行動、すぐに電話をかけて「八代で飲食店をすることになったから店長やってもらえないか」とオファー。本人も急な話にとても驚いていましたが、「頑張ります!」と言って福岡から八代に戻ってきてくれて。まるで何かに導かれるように、全ての選択が良い方向に進んでいきましたね。

おふたりの関係性がすごく素敵だと思います。

松永さん:やっぱり一緒に飲食店をやるなら彼女以外の調理師は考えられなかったですから。実際、私が「こういう料理出したいんだけど」というと反射的に「やりましょう!」という言葉が返ってくる。すごく意欲的でプラス思考なところが相性ぴったりなんです。管理栄養士の資格も持っているので、八代の“管理栄養士がいるお店”として広まっていったら嬉しいですね。

「私たちが美味しいと思うものを提供する」を合言葉に、定食や一品料理、バーガー、スイーツと豊富なメニューを揃えている美食屋月。物件の賃貸契約からオープンまで5か月足らずという短期間で○○店長はそのスキルと経験をいかんなく発揮してくれたと松永さんは微笑みます。

「内装工事などもあったので、実際に店舗で試作に取り掛かれたのは1ヶ月前くらい。施策のたびに私や息子の意見を聞いて…。よくぞあの短期間で試作を重ね、妥協せずに美味しさを追求してくれたと感謝しかありません」

大人の上品な落ち着きと意欲的で前向きなパワーを併せ持つ松永オーナー。彼女の人となりが美食屋月の美味しい料理をさらに味わい深いものにしてくれる最高の調味料なのかもしれません。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
美食屋月

熊本県八代市本町1丁目7-12 梓会館サンクスビル1F ( Google MAP

営業時間:

昼11:30~14:00、夜18:00~26:00(不定休)

TEL: 0965-65-7007