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長崎県諫早市山川町
諫早市高来町にあるインド料理ディルの姉妹店として、今年(2025年)3月に西諌早地区センター内にオープンした「インド料理&カフェ ディル」。ネパール人のベテランシェフが調理するスパイス感あふれる本格インド料理と並んで高い評価を受けているのが外国人スタッフによる真心こもった接客です。
「私が来日してすごく感銘を受けたのが日本人の“おもてなし精神”。長崎の高校に通いながら飲食店でアルバイトをする中で丁寧な接客の大切さを学びましたので、ディルでも自分がしてもらったら嬉しい接客・サービスをするよう心がけています」
そうほほ笑むのはオーナーのパウデル・シリ・キシナさん。日本で暮らした8年の経験と流暢な日本語、人懐っこい笑顔で自ら率先して接客を行い、クチコミサイトで「日本人より機敏で人当たりが良い」「物腰柔らかな対応で丁寧」と話題になっています。
今回の記事ではインド料理&カフェ ディルを支える丁寧な接客を紐解くとともに、パウデルさんの今後の展望を伺っていきたいと思います。
パウデルさん:ありがとうございます。当店のコンセプトは本格的なインド料理を味わいながらお客様一人一人が心地良く過ごせる店。そのためには、30年以上の経歴を持つシェフの“質の高い料理”だけでなく“お客様に寄り添った接客”も大切だと考えています。
パウデルさん:私たちが提供しているのは“食事”ではなく、“お客様の楽しみ”だと思うんです。せっかく来店していただいたのだから、お腹も心も満足してお帰りいただきたい。ディルには外国人のスタッフも多いですが、私が学んだ日本のおもてなし精神をしっかりと伝えることで地域の皆さんがリピートしやすいお店になっているのかなと思います。
パウデルさん:おもてなし精神は日本特有の素晴らしい文化。最近は人材不足や効率化重視で接客が軽視されがちですけど、お客様がファンになるのは“人”だと思うんですよね。私は長崎が第2の故郷だと感じるくらい日本が好きなので、自分自身が感銘を受けたおもてなしを大事にしたいな、と。
パウデルさん:なので、普段から“おもてなし”が身近にある日本の皆さんに、ディルの接客を評価していただいているのは本当に嬉しいこと。もっともっとブラッシュアップして全てのお客様に「素敵なおもてなしのインド料理屋さんだったね」と言ってもらえるよう、私含めスタッフ皆で成長していきたいですね。
パウデルさん:私はまだ24歳なのでたくさんの夢があるんですよ。ラグジュアリーなインド料理レストラン、前職の経験を生かしたIT事業、農業も好きなので長崎の食を支えるような事業…。いろいろなことにチャレンジしながら会社を大きくして、ゆくゆくはネパールの人が日本で働けるチャンスを作っていきたいと考えています。
パウデルさん:外国人だからこそ感じる日本の良さってあるんですよ。私はネパールから来たスタッフには日本を大好きになってほしいので、日本の良いところをたくさん伝えています。生まれ育ったネパールとたくさんのことを学んだ日本。ビジネスを通じて2つの故郷に貢献していくことが私の目標ですね。
お店を改善していくうえで大切なのはお客様の声なんですよ、と話すパウデルさん。お客様アンケート(メッセージカード)を設置することで目の届かない改善点を洗い出すだけでなく、集計したコメントを「ディル通信」として店内及びInstagramで定期的に発信しています。
「良い感想も厳しい意見も私にとって大切な道しるべ。改善点があれば修正し、お伝えすることがあればコメントも付け加える。そうして真摯にお客様と向き合うことこそ、おもてなしの原点なんじゃないかなと感じています」
ビジネスで日本とネパールの懸け橋に――。大きな夢と希望を胸に、若きオーナーは今日も笑顔でお客様をお迎えしています。
取材・執筆/Komori Daigo
長崎県諫早市山川町1-5西諫早地区センター内 ( Google MAP )
営業時間:
11:00~21:30(不定休)
TEL: 0957-26-2766