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暮しを楽しむの手帖
non-ki#1 諫早の夜を照らして27年。店主・福島俊一さんが語る「のんびり、自然体」なバーの歩み

長崎県諫早市永昌東町

長崎県諫早市の本明川沿い、穏やかな風が吹き抜ける場所に温かく灯る明かり。諫早市民が足しげく通うオーセンティックバー「non-ki」は、オーナーの福島俊一さんが26歳の時に創業し、今年(2026年)で27年目を迎えました。

もともとは居酒屋としてスタートし、10年間の営業を経てバーへと形を変えたnon-ki。「自分一人で自由にのんびりやりたい」という経営哲学のもと、福島オーナーがお店とともに歩んだ約30年の軌跡を伺います。

屋号に込めた願いと自分らしくいられる場所への軌跡

福島さんが「飲食で自分の店を持ちたい!」と思ったきっかけを教えてください。

福島さん:きっかけは、大学生のころに経験した飲食店でのアルバイトですね。ただ、当時は「自分にできるかなぁ」なんて少し不安もあって、一度は飲食とは関係ない仕事に就職してサラリーマンをやっていたんですよ。でも数年働いてみて、やっぱり「自分のやりたいこととはちょっと違うな」と感じて、この世界に飛び込みました。

いわゆる脱サラして居酒屋「呑気」を現在の場所で開業したのが26歳の時。なぜ諫早で店を出そうと考えたのですか?

福島さん:実は私、長崎日大高校(諫早市)の出身なんです。3年間寮生活を送った馴染みのある街ですし、仲の良い友人もたくさんいたのが大きかった。ちょうど新築物件のテナント募集を見つけたタイミングも重なって、「よし、ここでやってみよう!」と決意しました。気が付けば27年、細々とですが長く続いていますね(笑)。

「non-ki」という店名には、どのような由来があるのですか。

福島さん:大学時代、1年間オーストラリアへワーキングホリデーに行っていたんです。その時に現地で見かけた「NONKI(ノンキ)」という日本食レストランの響きが、すごく素敵だなと心に残っていて。自分の店を持つなら、お客さんにものんびり過ごしてほしい。そんな思いを込めて、その名前を拝借することに決めたんですよ。

2009年(平成21年)に居酒屋からバーへと業態を変えました。その背景を教えてください。

福島さん:根っこが「一人でコツコツ仕事をするのが好き」なんですよね。居酒屋時代は従業員を雇って料理もたくさん出していたんですが、どこかで「自分の性に合わないな」と感じている部分があって。ちょうど10年という節目に、「一人ですべて完結できるバーなら、もっと自分らしくいられるんじゃないか」と考えたんです。

リニューアルした頃の「non-ki」はどのような雰囲気だったのですか?

福島さん:最初はカラオケバーだったんですよ(笑)。お酒を飲みながら楽しく歌えるような。でも、それがあんまりウケなかったんですよね。1年ほどでスッパリやめて、代わりにウイスキーの種類をグンと増やしました。そこから今のゆったりとお酒を味わうオーセンティックバーという形に落ち着きました 。

福島さんにとって、このお店はどのような場所なのでしょうか。

福島さん:自分の家にいるのと変わらないくらい、本当に居心地がいい場所です。営業中にお客さんがいらっしゃらない時間も、カウンターに座ってBGMを聴きながらのんびり過ごすのが大好きなんです。私にとっては家よりもリラックスできる「もう一つの部屋」のような感覚で、30年近くこの場所に立ち続けています。

※Instagramより

お客様にはBGMを聴きながらのんびりとお酒を楽しんでほしいですね、とほほ笑む福島さん。そのために意識していることを質問すると、こんな答えが返ってきました。

「一番は、私自身が自然体でいることかな。私がリラックスしていれば、それがお客さんにも伝わって、店全体が落ち着いた空気になりますから。だから、格好もこんな感じで普段着なんですよ(笑)。お客さんとの会話もちょうどいい距離感で楽しんでもらえるように心がけています」

四半世紀以上にわたり諫早の夜を照らしてきたバー「non-ki」。50種類を超えるウイスキーのボトルが並ぶバックバーを眺めながら、ジャズに耳を傾けるひとときは、日常の喧騒を忘れさせてくれることでしょう。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
non-ki

長崎県諫早市永昌東町13-14 ( Google MAP

営業時間:

17:00~26:00(不定休)

TEL: 0957-21-0421