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暮しを楽しむの手帖
オキナワ食堂ガチマヤー#4 故郷への想いと沖縄で描く未来。大村で20年に渡って奮闘してきた女性オーナーが次の世代へ繋ぐ店のビジョン

長崎県大村市東本町

本格的な黒毛和牛の焼肉と家庭的な沖縄料理、そして、心を込めた手づくりお弁当が味わえる「オキナワ食堂ガチマヤー」。2002年のオープン以来、約20年もの間、大村市民に支持されてきた有名店・「ゆいまーる」が前身ということで、名称が変わった今でもたくさんのお客様で賑わっています。

店主の松尾笑子さんは御年77歳。沖縄で営んでいた居酒屋の経験を活かし、50代でUターンした故郷・大村で1から飲食事業をスタート。さまざまな困難に直面しながらも、持ち前の明るさで、地域の人々が心ゆくまで食べて飲んで仲間と語りあえる場所として成長させてきました。

創業21年目となる2023年に、新たな挑戦をスタートさせるという想いから屋号を「オキナワ食堂ガチマヤー」へと変更した松尾さん。そんな彼女が思い描く、ガチマヤーとご自身の今後のビジョンをインタビューしていきます。

美味しい料理と一緒に、「また来たい」と思っていただける心地よさも提供できるように

オキナワ食堂ガチマヤーとしてリニューアルオープンして2年ほどが経過しました。現在の手ごたえをお聞かせください。

松尾さん:ゆいまーる時代からの常連さんは変わらず通ってくださいますし、お弁当をきっかけに焼肉や沖縄料理を食べに来てくださる方もいらっしゃいます。リニューアル時に合わせてテーブル席の一部を座敷に改装したのですが、リラックスして食事ができると好評。美味しい料理と一緒に「また来たい」と思っていただける心地よさも提供できるよう心がけています。

お昼のお弁当営業はいかがですか?

松尾さん:新型コロナ流行中のテイクアウト需要を見越して始めた弁当事業ですが、アフターコロナになっても継続して来店してくださるお客様が多く、大変嬉しく思っています。今は弁当用の厨房に2升の炊飯器を2台、1升の炊飯器を3台設置。平均で3回(21升)、多い時は5回(35升)の米を炊くこともあり、忙しいながらも充実した毎日を送っていますね。

画像はInstagramより
大村市で「ゆいまーる1号店」を開業してから20年超。その中で、松尾オーナーが特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

松尾さん:沖縄料理と焼肉の店ということもあり、開業当初から沖縄に配属経験のある自衛隊員の皆さんのご利用が多かった当店。2012年に当時の陸上幕僚長さんがご来店くださったんです。

幕僚長といえば自衛隊のトップ。それはすごい。

松尾さん:せっかくなので、ということで記念撮影をさせていただいたのが本当に良い思い出。この話を自衛隊の人にすると「隊員が幕僚長に直接お会いする機会なんてないですよ!」と驚いていましたね。

2022に開業20周年という節目を迎えたガチマヤー。最後に、5年後、10年後を見据えた将来のビジョンについてお聞かせください。

松尾さん:本当に時間が経つのは早いものですね。沖縄から大村にUターンして飲食店を始めた時は50代だった私も77歳になりました。今の目標はこの店を80歳まで切り盛りすること。その後は2人の娘にガチマヤーを任せたいと考えています。沖縄で育った娘たちは、私よりも沖縄料理を熟知しているので、味の継承については何の心配もしていません。

ご自身が守ってきた店を次の世代に繋いでいく。とても大事な目標ですね。

松尾さん:ありがとうございます。お店を無事に引き継いだら、沖縄に戻ってのんびりと暮らすのが夢なんですよ。私にとって沖縄は、人生の中ですごく充実した時期を過ごした大切な場所ですから。そのためにも、あと2~3年、老骨に鞭打ってこの店を盛り立てていけたらと思っています。

実家のある大村で店を構えて20年余り。第二の故郷ともいえる沖縄の食文化を訪れるお客様へ伝え続けてきた松尾さん。人と人との縁を大切にする社交的な性格、美味しいものをお腹いっぱい食べて欲しいという面倒見の良さは、まるで“うちなんちゅ”のよう。

そんな松尾さんが育んできた「ガチマヤー」の温かい味と賑わいは、これからも世代を越えて多くの“食いしん坊”たちのお腹と心を満たしていくことでしょう。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
オキナワ食堂ガチマヤー

長崎県大村市東本町576 ( Google MAP

TEL: 0957-54-1450

URL:https://www.instagram.com/okinawa__shokudou_gatimaya_/