キーワード検索

閉じる

暮しを楽しむの手帖
Bar Roots #2 お酒も食事もハイクオリティな大人の社交場。諫早で人気の理由はオーナーの「食への探求心」でした

長崎県諫早市栄町

島原鉄道・本諫早駅から徒歩5分。さまざまなお店が立ち並ぶ商店街エリアの一角に、諫早市民が足しげく通うナイトスポットがあります。その名は「Bar Roots(バールーツ)」。オーセンティックバーの落ち着いた雰囲気とコンセプトバーのカジュアルさを併せ持つ評判のお店です。

おしゃれな木製のドアを開けると、そこは大人の社交場。間接ライトに照らされるボトル、洗練された空間を演出するベネチアングラスのシャンデリア…。ムーディーなBGMに誘われるようにカウンター席に腰掛けると、バーテンダー姿の大田尾勝人さんが笑顔で迎えてくれます。

Bar Roots(バールーツ)の大きな特徴のひとつがダイニングバー並みの豊富なフード。店内のボードに目を向けると、定番のおつまみにパスタ、ピザ、ご飯ものまで、オーナーお手製のメニューがズラリと並んでいます。その背景にあるのは、飽くなき食への探求心。そんなBar Roots(バールーツ)のドリンク&フードについて紹介していきます。

パフォーマンスとともに最適な一杯を提供する。それがバーテンダーのホスピタリティ

ゆったりとお酒が楽しめるBar Roots(バールーツ)。提供できるドリンクは何種類くらいあるのでしょうか。

大田尾さん:メニューに載せているのはカクテル、ワイン、ウイスキーなど400種くらい。メニューになくても頼まれたら作ることもあるので5~600くらいは提供していると思います。ここ数年はウイスキーとジンが特に人気。ただ、ジャパニーズウイスキーは世界的な需要で値上がりしているので、最近は珍しいジンをお勧めしています。

お酒を提供する時に心がけていることを教えてください。

大田尾さん:バーテンダーの仕事は単にお酒を提供するだけでなく、お客様のお好みにあわせて最適な一杯を提供するというホスピタリティも求められます。また、お酒が完成していく過程を見たいというお客様も多いので道具や手さばきなど見せ方(パフォーマンス)も重要。お酒の専門家として、お酒の知識などでもお客様に楽しんでいただけるようにしていますね。

ところで、Bar Roots(バールーツ)の特徴といえばフードが充実していること。しかも、お酒を楽しむバーでありながら、全ての食事メニューが大田尾さんの本格的な手料理だから二重の驚きです。

大田尾さん:恥ずかしながら、元々、料理は全くやっていなかったんですよ。ただ、なんとなく興味はあったかな。で、独立して自分の店をやるなら美味しいものを出したいなと思って、料理人やってる友人に教えてもらったのがきっかけ。自分が想像していた以上に料理が面白くて、「もっと美味しく、もっと美味しく」と熱を帯びていきました。

ということは、料理は独学で?

大田尾さん:そうなんですよ。友人に教えてもらったり、インターネットで調べたりしながら、料理の基本を習得。美味しいものを作るためには美味しいものを知ることから、と県内外の評判のお店にも足を運びました。いろんな飲食店の味付けや盛り付けを実際に食べて学ぶ。それを自分流にアレンジしていくことがすごくおもしろかったんです。

食事に訪れる人がいるほどの料理クオリティ。最近では“そばの刺身”も名物に

オーナーの食への探求心から生み出されたBar Roots(バールーツ)の食事メニュー。長年の営業の中で、フードを注文なさるお客様も多いですか?

大田尾さん:そうですね。ウチに来るお客様は2軒目、3軒目の人が多いんですけど、深夜0時とか1時なんでお腹減っちゃうみたいで、よくご注文いただきます。普通に仕事帰りに晩御飯を食べに来る方もいらっしゃいますし、明け方まで営業しているので同業者とか飲み屋の子とかもよく食事に来ていますね。

人気のフードを教えてください。

大田尾さん:夏はピザ、冬はパスタ。オリジナルのトマト煮込みチキンカレーは一年通して注文がある印象です。個人的にこだわっているのは「バーにふさわしいオシャレな盛り付け」と「塩1g、醤油1滴の差で生まれる美味しさの追求」。あとはできるだけオーガニック食材を使用して、普通の飲食店にも負けないクオリティの手づくり料理を提供しています。

メニュー表で個人的に気になっているのが「手打ちそばの刺身」。申し訳ないんですけど、バーで手打ちそば、しかも刺身っていう違和感がすごい。

大田尾さん:皆さんビックリされるんで大丈夫ですよ(笑)。そばに興味をもったきっかけは諫早市高来町のそば打ち体験に参加したこと。初めてながら上手くそばを打てた、高来産のそば粉がすごく美味しかった。すごく感銘を受けて「よし、俺もそば打とう」と思い立って。すぐに「幻の高来そば振興協議会」に入って本格的にそば打ちをスタートさせました。

高来そば美味しい!からの、自分も打とう!というアグレッシブさ。バーテンダーと料理人が同居する食の求道者ですね。

大田尾さん:店では最初、パスタ風ぶっかけそばを出していたんですけど、バーで食べるのは恥ずかしいという人が多くて。薄く伸ばしたそば生地を2cm程度にカットして茹で、醤油やワサビで味わう“そばの刺身”に変えました。普通の手打ちそばとは風味・食感が違うのでたちまち話題に。今では「もっと広めてほしい!」と言われる人気メニューなので、ぜひ一度食べてみてほしいですね。

※画像はイメージです

「正直、そばを打ち始めた時は『自分でもどこを目指してるのか、わかんないな』と思いました」と笑う大田尾さん。バーテンダーと料理人というふたつの顔を持つ彼がオーナーだからこそ、Bar Roots(バールーツ)では、お酒も食事もクオリティの高いものが提供されているのです。

「お酒と料理って似ていると思うんです。ベースとなる分量や比率はあるんだけれど、それを自由に変えることで異なる味わいを表現することができる。塩1g、醤油1滴でも風味が変わることが多々あるので、自分が納得いくまで美味しさを追求していきたいと思います」

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
Bar Roots

長崎県諫早市栄町6-12林谷ビル1F ( Google MAP

営業時間:

ランチタイム/11:30~14:00(月火木金のみ)
(土日もたまにオープン、Googleでチェックしてください)
BARタイム/20:00~翌3:00(金・土は翌4:00まで
※水曜定休

TEL: 0957-47-5630