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暮しを楽しむの手帖
ブラッスリーカズ#4 いつかは料理教室の先生になりたい。新米ママのオーナーシェフが語る大きな夢

長崎県大村市本町

2022年11月に大村市の本町アーケードにオープンしたカジュアルなレストラン「ブラッスリーカズ」。20年近い料理人歴を持つオーナーシェフの末永佳珠美さんが手づくりにこだわって作る本格的な洋食を求めて市内外からお客様が足を運んでいる、今、注目のお店です。

「オープンから2ヶ月はいわゆる“開店ブースト”で賑わったんですけど、3ヶ月目に客足がパタリと止まって。どうしよう…と思っていた時に、たまたま長崎プレスと長崎新聞が取り上げてくださって一気にお客様が増えました。本当にありがたかったですね」

昨年(2024年)9月には第一子を出産し、ママシェフとなった末永さん。結婚・出産という大きなライフイベントを通じて料理人として変わったことやブラッスリーカズのこれからについてお話を聞いていきたいと思います。

出産から1ヶ月半で職場復帰。新米ママシェフを支えてくれた素敵なご縁

まずはご出産おめでとうございます。

末永さん:ありがとうございます。私は出産から一ヶ月半ほどで職場復帰したんですけど、ご予約が少ない日は店内にベビーベッドを置いて仕事することもあったので、今ではブラッスリーカズの看板息子になっていますね。たまにお客様が「抱っこさせてもらっていいかしら?」と可愛がってくださるので、我が子ながらすごく人なれしているなと感じています。

今は仕事と子育てを両立していらっしゃる末永さん。ママになって変わったなと感じることはありますか?

末永さん:やっぱし生活リズムが子ども最優先になりましたね。朝は保育園に預けるために今まで以上に早起きしたり、離乳食を仕事の合間に厨房で作ったり…。あとは息子と一緒に過ごす時間を確保するために、定休日(水曜)以外にも不定期で休日を増やしました。お客様には申し訳ないなと思いつつ、仕事と家族のバランスを大事にしたいな、と。

※Instagramより
お話をお聞きしていると、出産からスムーズに職場復帰できたのも、いろんな方のサポートがあったからというのがよくわかります。

末永さん:私が不在の期間は妹が頑張ってくれましたし、出産後は主人も積極的に子育てに参加してくれる。子どもを店に連れて来た時は常連さんやスタッフが面倒を見てくれて…。ブラッスリーカズはまだ3年目の比較的新しいレストランですけど、たくさんの方がいろんな面で支えてくださることは大きな強みだなと感じていますね。

末永さんが魅力的だから、素敵な方が集まってくるのだと思います。

末永さん:いや~、本当に縁には恵まれているなと再確認しました。ただ、一個だけ「あぁ~」って思ってることがあって。私、お酒が大好きなんですけど飲む量もかなり減ったんですよ。昔は常連さんと一緒に乾杯とかしてたんですけど、今はノンアルコールで我慢。でも、これから暑い季節になってみんなが美味しそうにビールを飲むのを見たら羨ましくなるんだろうなぁ(笑)。

※Instagramより

いつか自分の店で料理教室を開きたい。そのためにも長く地域に愛されるレストランに

最後に、ブラッスリーカズの今後の展望を教えてください。

末永さん:お店としては地域に根付いて長く愛されるレストランになること。まずは2032年の10周年を目指して頑張りたいと思っています。それとは別に個人的にずっとやりたいなと考えていることがあって。それが料理教室の先生。ゆくゆくはこの店で料理教室を開くのが一番の夢なんです。

素敵な夢ですね。

末永さん:実は私、20代前半のホテル勤務をしている頃からクッキングスタジオに通って製パンや製菓も学んでいるんですよ。ずっと習い続けてきたおかげで、今では焼き菓子やチョコ、ケーキまでレパートリーがかなり増えました。実際、ブラッスリーカズで提供している自家製デザートも、こうした経験を経て提供できるようになったんです。

※Instagramより
確かに、本格的な料理になればなるほど、独学じゃ習得は難しい。

末永さん:そうなんです。煮詰める時間の長さ、カットする食材の大きさ…。インターネットや料理本を見ただけではわからないことってたくさんあって、同じ材料で作っても人によって味が全然違うんですよ。だから、私の料理教室では最初に解説を交えながら調理の様子を見てもらう。そうやって手順や出来上がりをイメージして調理することで味の再現度が高くなると思うんですよ。

なるほど。

末永さん:やっぱり私、料理が大好きなんですよ。どれだけ技術や経験を積んでも新しいメニューや技法が出てきて、終わりがないのが本当に楽しい。だから、今でも休みの日にはできるだけクッキングスタジオに通うようにしています。ブラッスリーカズの料理教室はまだまだ遠い夢。でも、いつか実現するためにもこの店を長く続けていきたいと思います。

「最近は『ホールケーキを作ってほしい』というオファーもありますね。あとはバレンタインデーとかホワイトデーとかイベントに合わせて特別なお菓子の販売もしています。毎年、Instagramで告知したらDMで予約一杯になるくらい人気。通常の業務と並行して準備するので大変なんですけど、自分のやりたいことで喜んでもらえるので楽しみながらやっています」

20代の頃には料理コンテストで日本一を受賞するなど輝かしい実績を持つ末永さん。今の自分に胡坐をかかず求道者のように“美味しさ”を追求しながらも、そこに楽しさを見出している彼女にとって料理人は天職なのかもしれません。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
Brasserie Kazu(ブラッスリーカズ)

長崎県大村市本町436-6 ( Google MAP

営業時間:

ランチ11:30~15:00、ディナー18:00~23:00(定休:水曜)

TEL: 0957-48-8855

URL:https://www.brasserie-kazu.com/