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長崎県長崎市琴海戸根町
食通も唸らせる上質な料理の数々と眼下に広がる大村湾の絶景を求めて多くの人が訪れている長崎市琴海エリアのレストラン「創作料理kasumi」。実は、2022年頃からスタートした“あるサービス”がじわじわと話題になっているのをご存じでしょうか。
そのサービスというのが、犬と一緒に食事ができる個室。レストラン棟から中庭を挟んだ反対側にある離れを利用できるため、ほかのお客様に気兼ねすることなく愛犬とのんびり寛げるスペースとして予約する人が増えているんです。
「そもそも社長が大の愛犬家なんです」と笑うのは支配人の宮田亮さん。小高い丘にある広い敷地では9匹のワンちゃんが飼育されており、「看板犬が出迎えてくれるレストラン」として知られています。そんな創作料理kasumiの十数年に渡る“犬LOVEな取り組み”を紹介していきますよ。
宮田さん:私がkasumiで働き始めるよりも前の話のなので詳しい時期は分からないのですが、十数年以上は経っていると聞きました。もともと社長がこの土地を購入したのは、自宅で多頭飼いしていたパグたちを自然豊かな環境でのびのびと生活させたいという想いからだったんですよ。
宮田さん:せっかく広い土地なのだから、と敷地内にパン教室の「どんぐりの森」を開設。愛犬に囲まれながら会社経営を始めたのがスタートなんです。で、パグたちが虹の橋を渡った頃、社長が近所で妊娠しているラブラドールレトリーバーを保護。kasumiが島原から移転してきた2014年には4匹の犬たちが暮らしていました。
宮田さん:社長の保護活動の賜物といいますか。向こうから引き取り、こっちで保護し…。まあ、ご覧の通り土地は広いので色んなスペースを活用しながら飼育しています。職場にワンコがいるというのも案外良いもので、営業が終わった後は一緒に遊んだりして癒されているんですよ。
宮田さん:お客様からも「外にいるワンちゃんが皆かわいくて最高の癒しになりました」とか「テラス席の下の広場で元気に遊んでいる姿がほほえましかったです」といった声をいただいています。どの子たちも人懐っこくて愛らしい性格。かまってほしくて吠えちゃうこともありますが、kasumiの看板犬として立派に仕事をしてくれています。
宮田さん:きっかけはご来店いただいた年配のご夫婦。「私たち、犬が大好きなんですけど、先のことを考えると無責任に今から飼うという選択ができなくて…。だから、元気なワンちゃんたちを見たくて足を運んだんです」とすごく喜んでいらっしゃったんですよ。
宮田さん:で、その話を聞いた社長が「そういう人たちがいるなら、ウチの子たちと一緒に食事ができる部屋を作ろう!」と言い出して。ちょうど小型犬をお迎えした時期だったので、こういう社会貢献はすごくいいなと思いましたね。で、薪ストーブ用の薪小屋を解体して3畳ほどの離れを新設。当時はコロナ禍だったので、個室のニーズも計算に入れていました。
宮田さん:今はkasumiのワンコと一緒に食べてもいいし、ご自宅で飼っているワンちゃんを連れてきてもらっても大丈夫。離れの床は無垢板なので足への負担が少ないですし、目の前の中庭も自由に利用可能。ただ、離れはウチの小型犬が生活しているスペースの一角にあるので、前日までの事前予約制でお願いしています。
宮田さん:ワンちゃん連れで来店してくださったお客様が、口コミやSNSで「良い場所だったよ」と広めてくださったおかげで少しずつ利用が増えています。実はこのサービスをきっかけにInstagramも始めまして。ご利用いただいたワンちゃんやウチの子たちの様子を紹介しています。ぜひ、こちらもフォローしていただけたら嬉しいです。
「愛犬家のお客様が『素敵なレストランだった』と評価してくださるのも嬉しいですし、その感想を聞いた方が足を運んでくださるのも嬉しいです」とほほ笑む宮田支配人。そんなワンちゃんへの愛に溢れる創作料理kasumiの今後の展望を尋ねるとこんな答えが返ってきました。
「愛犬を連れて行きたい、kasumiの看板犬に会いたい、という方が少しずつ増えていくよう、美味しい料理とのんびり過ごせるひとときを提供していくこと。スタートは社長の保護活動ですが、その紡いできた縁をこれからも守っていければと思います。」
取材・執筆/Komori Daigo
長崎市琴海戸根町240-2 ( Google MAP )
営業時間:
モーニング/9:00~11:00(予約制)
ランチ/11:00~17:00
ディナー/17:00~22:00(予約制)
※年末年始休み
TEL: 095-884-2877