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暮しを楽しむの手帖
居酒屋ばんや#2まるで八代の「食べる水族館」!生け簀に懸ける新鮮さへの執念と素材を活かした極上の海鮮メニュー

熊本県八代市本町

八代市の中心、本町アーケードで圧倒的な存在感を放つ「居酒屋ばんや」。ワタリガニやクエなどが躍る看板に惹かれて店内に足を踏み入れると、幅5メートル、総水量6トンという規格外の巨大生け簀とそこで優雅に泳ぐ海の幸がお客様を出迎えます。

「水槽は全部で3つ。魚種ごとに最適な水温を維持するため、光熱費は月35万円かかっとるね」。そう語る代表の福田勝文さんが、コストを度外視してまでこの設備を守り続ける理由。それは「お客さんに目に見える鮮度と最高の味を届けたい」という揺るぎない信念があるからです。

本記事では、福田代表の生け簀に懸ける情熱と鮮度追求の裏にある試行錯誤の歴史についてインタビュー。居酒屋ばんやが胸を張って提供する、“絶対に食べて欲しい”至極のオススメ魚介メニューとともにその魅力をご紹介します。

Instagramより

光熱費月35万円の衝撃。魚と対話し、失敗を乗り越えて守り抜く巨大生け簀

これほど立派な生け簀を設置しようと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?

福田さん:水族館のように魚がたくさん泳いどる空間が好きやったからやね。お客さんに活きの良い魚介を提供できるよう、塩分濃度や水温調整などは私が1人で全部やっとります。特に、水質の急変に弱いエビを生け簀で管理すっとは難しいんやけど、ウチは長年の経験があるけんね。不知火海の赤あしエビを店内の活きで食べられる居酒屋はなかなかないと思うよ。

生け簀における長年の経験、という言葉がありましたが、これまで生け簀の管理で大変だったことがあれば教えてください。

福田さん:導入して1年目のミズイカ(ヤリイカ)かな。水槽に入れると翌日には全滅しているという状態がずっと続いてたんやけど、1年かけて防水塗料の匂いが原因だと突き止めた。すぐに洗剤で徹底的に洗い落として生かせるようになった時は嬉しかったね。そもそもミズイカは墨袋の容量が大きいので生け簀に入れるのは敬遠されがちなんやけど、ウチは20年以上の苦労と経験で可能になっとる。

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それほどの情熱は、やはり魚がお好きだからこそ。

福田さん:私はじっと見るだけで魚の調子が手に取るように分かるんよね。例えば、苦しい時は体が黒ずんで息が早くなるとですよ。そいけん、店休日でもここに来て何時間も水槽を眺めては水を足したり、魚同士の相性を見て入れ替えたり…。お客さんに最高の状態で提供するには、言葉を持たない魚との対話と観察が何よりも大切だと思っとります。

魚介の仕入れ先は、地元八代をはじめ、熊本・呼子・長崎・宮崎・鹿児島の九州6か所と北海道からの空輸に及び、種類も豊富ですね。

福田さん:九州の中でも、長崎は対馬海流の恩恵で抜群に美味しい。値段は張るけど、質を重視してアジやブリ、イセエビなんかを仕入れとるね。また、タラバガニやホッキ貝なんかは北海道から空輸。「生きたものしか仕入れない」。これがウチの鉄則やけん、輸送業者には慎重に運んでもらっとる。コストがかかっても、鮮度へのこだわりだけは譲れんね。

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不知火海のワタリガニに赤あしエビ。そして専門店も凌駕する自慢の寿司

活魚から焼き魚、煮つけまで多彩な魚介メニューが揃っている居酒屋ばんや。特にお客様に食べていただきたいメニューを教えてください。

福田さん:不知火海で獲れるワタリガニと赤あしエビ(クマエビ)は外せんね。ワタリガニは見た目こそ小ぶりやけど、身がパンパンに詰まったやつは味が濃厚。生け簀から出して茹でるけん、新鮮そのものなんよ。赤あしエビは秋から冬にかけての季節限定なんやけど、プリプリした食感と濃厚な甘味とみそが特徴。活き締めした最高の状態を寿司で味わってほしかですね。

九州各地から直送された旬の魚介が味わえる、日替わりの刺身盛り合わせも人気と伺いました。

福田さん:魚介の鮮度には絶対の自信があるけん、ぜひ刺身で楽しんでもらいたかですね。特に長崎産・天草産のシマアジはウチの定番。昔は天然物にこだわっとったけど、今は養殖技術が上がって、年中脂が乗った美味しいシマアジが食べられるようになった。他にも、ヒラメやカワハギ、ブリ、マダイなど、その日一番の地元の海の恵みを盛り合わせた一皿としてお届けしとります。

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お寿司も創業当初から提供されているとのことですが、どのようなこだわりがあるのでしょうか?

福田さん:ひとつはネタの新鮮さ。ウチは職人が握る本格的な寿司を出しているんやけど、お客様に最高の寿司を味わってほしいけん、大量の仕入れはせず、ひとつひとつ真心を込めて握っとるね。もうひとつはシャリ。米や調味料は吟味に吟味を重ねたものを使っとる。すし飯の配合など、寿司の土台となるシャリにも妥協せず、本物の味を追求しとるよ。

職人さんが握るお寿司への並々ならぬ自信が感じられます。

福田さん:正直なところ、ウチは刺身や馬刺し、国産牛ステーキなどのインパクトが強すぎて、寿司は「知る人ぞ知る」メニューになっとるんよ。でも、寿司専門店として勝負したら八代で一番になる自信はある。それくらい素材もいいし、手間暇もかけとります。専門店にも負けないクオリティの本格的な握りながらリーズナブルな価格帯やけん、ぜひ一度は食べてみて欲しかね。

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今回紹介した料理以外にも、呼子産ヤリイカの活け造り(季節限定)や長崎五島産の天然伊勢海老、天然鯛の煮つけ、天然サザエのつぼ焼き、アラ鍋、海鮮寄鍋などさまざまな海鮮メニューを提供している居酒屋ばんや。お腹も心も満たされる至福のひとときを過ごすことができますよ。

次回は居酒屋ばんやの看板料理のひとつ「馬刺し」をピックアップ。福田さんの馬刺しへのこだわりに加えて、豊富に取り揃えられた日本酒・焼酎についてもお話をお聞きしていきます。お楽しみに。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
居酒屋ばんや

熊本県八代市本町1丁目5-31 ( Google MAP

営業時間:

16:00~翌0:00(不定休)

TEL: 0965-33-8841

URL:https://izakayabanya.jp/