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熊本県八代市本町
九州各地から仕入れた海鮮、熊本の郷土料理・馬刺し、最高クラスの国産牛ステーキなど、居酒屋とは思えない豊富なメニューが揃う熊本県八代市の「居酒屋ばんや」。新鮮な食材にこだわり、美味しさを引き出す手間を一切惜しまない料理を味わおうと、地元の人たちが足しげく通う人気店です。
2004年にオープンし、今でも地域から愛される同店の中心的存在が代表の福田勝文さん。八代市内で建築業や社会福祉法人など4つの会社で事業展開する凄腕経営者で、同店に運び込まれる食材には代表の厳しいチェックが入っています。
鮮度を大切にするために、大量の仕入れはせず、旬の食材をお客様に最も良い状態で召し上がっていただきたい。そんな福田イズムの源流を探るべく、「居酒屋ばんや」の20年を超える軌跡をたどってみたいと思います。

福田さん:宇城市にある栄寿司の社長と知り合ったのが大きかったかな。子どもの頃から魚が好きで、大人になってから色んな店を食べて回ったんだけど、栄寿司は別格やったんよ。地産地消にこだわり、新鮮な食材にこだわり…。九州で1店舗あたりの売上が一番になったのは伊達じゃなかったよね。
福田さん:そうやね。だけん、栄寿司みたいに質の良い飲食店を、地元・八代でも作りたいと思ったんよ。栄寿司の社長とは公私ともに仲良くさせてもらっていたから、仕入れとか色んなことを教えてもらったね。

福田さん:八代の街で美味いもんを食べながらゆっくりできる休憩所にしたいという想いで名付けたよね。普通の飲食店やと回転率を上げようと考えるんやろうけど、ウチは逆。雑談しながら長居してもらって構わないというコンセプトがある。そいけん、席も200あるし、全室個室にしてるんよ。
福田さん:今は調理場4名とホール10名くらい。一番長い調理スタッフだと20年以上、勤めてくれとる。ばんやのレシピは私が作り上げてきたけん、味にはめっちゃうるさい。その分、ウチで働く料理人はかなり鍛えられると思うね。実際、ウチを卒業して独立した元従業員も成功しとるし、旨かもんを作る人材育成にも寄与できとるっちゃないかな。

福田さん:そうよ。自分の舌で食材の良し悪しや一番ウマい旬を覚えたけんね。やっぱり九州は畜産も水産も質がよかとが魅力。肉類は宮崎・鹿児島から八代の肉屋に卸してもらったものを入れとるし、魚介類は八代・熊本・呼子・長崎・宮崎・鹿児島の6か所から水揚げされたばかりのものを生きたままトラックで運んでもらっとるね。
福田さん:当たり前。国産の新鮮な食材で作った料理をお客さんに届けるというのが信念やけんね。普通は居酒屋の原価率って18~26%くらいなんやけど、ウチは質にこだわるから原価率が53%。それだけ高い買い物をしとるからこそ、業者にはかなり厳しい。魚介だろうが肉だろうが、質が悪かったらやり直させることも結構あるよ。

福田さん:調理スタッフに伝えとるのは、10人中8人のお客様に満足してもらうための意識をしなさい、ということ。一皿一皿にかける手間や創意工夫はもちろん大切なんやけど、それに加えて、どうしたら喜んでもらえるか、ということが料理人としてステップアップするために必要なんだと教えとる。
福田さん:ウチは常にお客さんの方を向いとるからね。接客するホールスタッフにも「君たちの笑顔がなかったら美味しい料理も不味くなってしまうよ」と言っとります。他の飲食店と比較して単価が高いからこそ、高品質のサービスも担保する。それでお客さんが喜んで笑顔で帰ってくれたら「よっしゃ!勝ったぞ!」と嬉しくなるね。

ここに来れば間違いない、と県外からのお客様にも信頼してもらえるのは「優越感に浸れるよね」、といたずらっぽく笑う福田さん。コストを度外視してでも良いものを出すという姿勢には、経営者としての矜持を感じます。
「ウチのお客さんはみんな“居酒屋ばんや”が好き。そいけん、パートナーや取引先といった大切な方を連れてくる常連さんも多いんよ。それはウチの店やったら満足してもらえるという信頼の証。それを感じるたびに『やってきてよかった』と思うよね」
次回は、豊かな漁場が数多く存在する九州自慢の「旬の魚介類」の魅力をたっぷりとご紹介。きっとアナタも食べに行きたくなること間違いなしですよ。
取材・執筆/Komori Daigo

熊本県八代市本町1丁目5-31 ( Google MAP )
営業時間:
16:00~翌0:00(不定休)
TEL: 0965-33-8841