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暮しを楽しむの手帖
莞爾(かんじ)#4 八代から全国へ。オリジナル味噌で作るホルモン鉄板焼きで描く夢と次代へ繋ぐバトン

熊本県八代市横手新町

2024年4月に八代市横手新町でオープンした「莞爾」。お昼はリーズナブルで美味しい定食とこだわりのちゃんぽんが楽しめるお食事処、夜は「もっこすホルモン焼き」などお酒と相性の良い一品料理が味わえる居酒屋として、地域の方々の胃袋をガッチリと掴んでいます。

最終回となる今回は、オープンからこれまでの歩みと今後の展望についてインタビュー。予期せぬ自然災害を乗り越えたエピソードや成田さんが描くホルモン鉄板焼きを通じた壮大な夢、そして次世代への想いに迫ります。

自然災害にも負けずに走り抜けた2年間

オープンからまもなく2年。これまでの手応えをどのように感じていらっしゃいますか?

成田さん:手ごたえはぼちぼちといったところでしょうか。平日はランチタイム、週末は夜の居酒屋として活用してくださるお客様が多いかな。基本的には地元の人が中心ですが、SNSでの情報発信を始めてからは、市外や県外から来店してくださる方も増えたように感じています。

お客様の層も幅広いようですね。

成田さん:そうですね。年齢層はかなり広いです。店内にはキッズルームを完備しているので、小さなお子様連れのファミリー層から、ご年配のシニア層まで、あらゆる世代の方にご来店いただいています。

オープンしてから、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

成田さん:昨年(2025年)8月の大雨ですね。実は、所有していた電気自動車が水没してしまい、全く動かなくなってしまったんですよ。毎日の仕入れにも使っていたので本当に焦りました。その窮地を救ってくれたのが、店内にディスプレイとして飾っているバイク。ホンダのロードスポーツモデル「CB」というバイクなのですが、しばらくの間はこのバイクに乗って仕入れに行っていました。

真夏のバイクでの仕入れは、想像するだけで大変そうです。

成田さん:本当に過酷でした。真夏日に黒いフルフェイスのヘルメットを被り、大きなリュックを背負ってスーパーへ。購入した食材をリュックに詰め込んで帰ってくる頃には、暑さでフラフラでした。「車はなんて快適な乗り物なんだ…」と、ありがたさを痛感。すぐにカーディーラーへ駆け込み、購入の手続きをしましたね(笑)。

「莞爾の味」を広める新たな挑戦

それでは最後にこれからの展望を伺っていきたいと思います。まずは、現在感じている課題をお聞かせください。

成田さん:「莞爾のホルモン鉄板焼き」のブランド力。いくらホルモン鉄板の味に自信があっても、実際に食べてもらわなければ「美味しい」と評価してもらうことさえできません。SNSを通じて遠方からお客様が来てくださるようになったとはいえ、現状にあぐらをかくことなく、もっとお店の知名度を上げていく取り組みをしたいと考えています。

※Instagramより
これから挑戦してみたいことはありますか?

成田さん:当店の肝は、私にしか作れない「ホルモン鉄板のオリジナル味噌」にあると考えています。この味を極めて、大手食品会社とコラボレーションした商品開発を行ったり、熊本や福岡、さらには関西・関東などの都市部でフランチャイズ展開したりするのが大きな夢。また、味噌をロイヤリティ販売するのも面白い構想だと思っています。

夢が大きく広がりますね。

成田さん:とはいえ、それは結果としてついてくるもの。まずは、ご来店くださるお客様に誠心誠意向き合い、「美味しい」と喜んでもらうことを継続するのが何より大切です。そしてもうひとつの夢は、私の味を継承してくれる「2代目」を見つけること。それができたら、本当に嬉しいですね。

「莞爾」という店名に込められた「お客様が美味しいものを食べてにっこりと微笑む場所にしたい」という成田さんの願い。それは、日々、食材と向き合い、丁寧に調理を続けている一皿一皿を通じて、八代の地から少しずつ、しかし確実に広がっています。

こだわりのホルモン鉄板と秘伝の味噌だれを武器に全国展開という大きな夢を描きながら、今日もお客さま一人ひとりの笑顔のために厨房に立つ成田さん。60歳で開業した「お食事処莞爾」の挑戦は、まだ始まったばかりです。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
お食事処 莞爾

熊本県八代市横手新町20-4 1F ( Google MAP

営業時間:

昼11:30~14:00/夜18:00~22:00(水曜定休)

TEL: 090-5727-2570