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暮しを楽しむの手帖
お料理やまうえ#4 注目の長崎発お取り寄せグルメ「大村うなむすび」。名店の若女将が紡ぐ温故知新の味づくり

長崎県大村市原口町

最高級の国産鰻を備長炭でじっくりと焼き上げた絶品料理を味わえる大村市の「お料理やまうえ」。県外からもわざわざ足を運ぶ人もいるほど評価の高い同店ですが、安心・安全で美味しいものを全国へ届けたいという思いから冷凍ギフト商品を開発。オンラインショップで販売しています。

「現在のギフト商品は『大村うなぎかば焼き』と『大村うなむすび』。オンラインショップではお中元・お歳暮などの贈り物として多くご注文いただいています。また、地元のショッピングセンターでも大村らしい手土産として取り扱っていただいているのでありがたい限りです」(若女将・山上典子さん)

今回は大村にある鰻の名店の味を自宅でも楽しめる“お取り寄せ商品”にスポットを当て、その魅力をご紹介。さらに記事の後半では若女将が見据える「お料理やまうえ」の今後の展望について伺っていきたいと思います。

※公式サイトより

大村の食文化を日本のファーストフードで表現。グランプリを獲得した大村うなむすび開発秘話

やまうえの看板料理である鰻のかば焼き。その味わいを自宅でも楽しめる「大村うなぎかば焼き」の特徴を教えてください。

山上さん:使用しているのは鹿児島の養殖ブランド鰻である“薩摩の若うなぎ”。徹底した水質管理と完全無投薬で飼育されているので、身が柔らかく特有の臭みもありません。無添加の自家製ダレにつけて備長炭でじっくりと焼き上げた出来立てを真空・冷凍。ふっくらとした食感と少し甘めの長崎風うなぎタレの味わいで、ご飯が進む一品となっています。

そして、もうひとつがオリジナル商品の「大村うなむすび」。こちらは2021年の「おおむらじげたまグランプリ」で最優秀グランプリに輝いています。

山上さん:「大村うなむすび」の大きな特徴は、地元の食材をふんだんに使っていること。大村で収穫されたお米を、地元の地酒と最高級醤油を使ったオリジナルの無添加タレと天然出汁で炊き込んでいます。具材はもちろん、備長炭で焼き上げた“薩摩の若うなぎ”。さらに、きざみ鰻を全体にまぶすことで優しい炭の香りと鰻本来の旨味がしっかりと味わえる贅沢なおむすびなんですよ。

※公式サイトより
「大村うなむすび」を開発しようと考えたきっかけはなんだったのでしょうか。

山上さん:当時はコロナ禍でお取り寄せグルメが注目されていた時期。当店は鰻を始めたばかりだったので、何かできないかと考えていたんです。で、思いついたのが鰻を使ったおむすび。開発は予想以上に大変で、オーナー夫妻が考案したレシピを従業員みんなで試食しながら感想を出し合ってブラッシュアップ。完成まで1年以上かかりましたが、やまうえらしい自慢の商品ができたと思います。

手軽に味わえるのも大きなポイント。帰省・出張などの手土産や遠方への贈り物のほか、ご自宅用の軽食として活用するのも良さそうです。

山上さん:大村で古くから続く鰻文化を日本のファーストフードであるおむすびで表現した「大村うなむすび」。大変ありがたいことに、県の物産振興協会さまが紹介してくださったり、長崎市のタナカヤさまや大手百貨店の三越伊勢丹さまが取り扱ってくださったりと、かなり認知が向上しています。お茶漬けや雑炊にしても美味しいので、興味のある方はぜひオンラインショップをご覧くださいね。

※公式サイトより

義両親が大切にしてきた想いや技術を引き継いで。温故知新で継承する若女将の描くビジョンとは

来年(2026年)、20周年を迎える「お料理やまうえ」。2代目として、5年後、10年後を見据えた将来のビジョンをお聞かせください。

山上さん:一番の課題はやっぱり“味の継承”。当店はオーナーである義母(山上よし子さん)が会席料理店としてスタートさせたわけですが、約20年ご贔屓いただいた味を引き継ぐのは本当に難しい。なにせ義母が食材に合わせて目分量でやってきたことも多く、レシピ通りに作っても味が違うこともあるんですよ。お客様の馴染みの味を一つでも多く再現できるよう、厨房スタッフと一緒に真剣に向き合っています。

2020年から始めた「鰻料理」という新しい要素を取り入れつつ、創業以来の「やまうえの味」も守っていきたい、と。

山上さん:その通りです。ありがたいことに鰻をメインに据えてからもご好評いただいているので、今の業態で長く続けていきたいと考えています。でも、大切なのは温故知新。先代が大切にしてきたこと、お客様に長く愛していただいていることなど、やまうえの良さをしっかりと引き継ぎつつ、鰻の店として新しいお客様へ広げていくのが私の大きな役割ですね。

「お料理やまうえ」として、今後チャレンジしてみたいことがあれば教えてください。

山上さん:鰻って夏のイメージが強いじゃないですか。だから、冬のメニューを作れるといいなと思っているんです。今、候補に挙がっているのが「うなすき」。じゅんじゅんというゴボウやネギと共に甘辛いタレで鰻を煮込んだ滋賀県の郷土料理を参考に、寒い時期に体の中からあったまるようなお鍋ができたらいいなと思っています。

おお〜、それはすごく興味あります!

山上さん:まだ構想段階ではあるのですが、「白焼きを使おう」とか「薬味はどうする」とかスタッフ皆で楽しみながら取り組んでいます。ぜひ、完成を楽しみにしていただければ幸いです。

地元に愛される食事処の2代目として、悩みや葛藤を抱えながらも「お料理やまうえ」の味を継承することを選んだ山上さん。オープン当初から関わり続けてきた彼女に、これまでで印象的な出来事を尋ねるとこんな答えが返ってきました。

「ご年配の親御さんを連れて来店なさる方が多いんですけど、普段は食事の量が少ないという親御さんが当店の料理はペロリと平らげてしまわれるんです。ご家族の方はすごく喜んでくださいますし、何よりご本人さまがお腹いっぱいで幸せそうになさっていて。また連れてきます、と笑顔でお帰りになるお客様を見送りながら、いつも嬉しいなと感じていますね」

世代を超えて愛される「やまうえ」の味。その先にはお客様の「美味しい」という笑顔が広がっています。さあ、あなたも。心温まる大村の名店の味を、ぜひ一度味わってみませんか?

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
お料理やまうえ

長崎県大村市原口町617-58 ( Google MAP

営業時間:

昼/11:30〜14:00、夜(完全予約制)/17:30~21:00 ※火曜定休

TEL: 0957-55-2922

URL:https://xn--p8jee2s3a7462fvdva.jp/