キーワード検索

閉じる

暮しを楽しむの手帖
ムーミンティラ#2 カフェ・図書館・グランドピアノがあるホール。素敵な3つの空間が共存する雲仙市吾妻町のフリースペースをご紹介♪

長崎県雲仙市吾妻町阿母名

諫早市から島原半島の外周を海沿いにぐるりとまわり、長崎市へと結ぶ国道251号線。島原鉄道と並行するように道路が伸びる雲仙市吾妻町で営業しているのが、カフェ、小さな図書スペース、グランドピアノを備えたイベントホールという3つの空間が共存するフリースペース「ムーミンティラ」です。

木製の扉を開けると、キュートな笑顔と明るい人柄が印象的なオーナー・野中佐代子さんがお出迎え。店内を照らすレトロ感のある照明が、フィンランドを意識したナチュラルな雰囲気にほんのりとした温かさを添えています。

2024年のオープン以降、リーズナブルなイベントホールとしてプロによる音楽コンサートや地域のお店が集まるマルシェ、いろいろな団体のセミナーなど地域の人々が企画したさまざまなイベントが開催されている「ムーミンティラ」。前半は喫茶店と図書スペース、後半はホールについて詳しく紹介していきたいと思います。

親子で楽しむブックカフェ。北欧テイストのお洒落な空間でゆったりとしたひとときを。

ではまず、玄関を開けた目の前にあるカフェスペースからお話を伺っていきましょう。

野中さん:カフェスペースをドアから一番近い位置にしたのは、「気軽に立ち寄って、ほっと一息ついてほしい」という想いから。木材をふんだんにあしらってモダンな雰囲気になるよう工夫しました。カフェでゆったりと過ごしたいという方はもちろん、コーヒーを飲みながらのカウンセリング・コーチングも可能。心をリフレッシュしておかえりいただけたら嬉しいなと思っています。

照明や時計などカウンター全体の雰囲気がすごくお洒落。棚に並んでいるグラスやカップも素敵なものばかりですね。

野中さん:ありがとうございます。ランチ営業は毎週金曜の11:30~14:00。オリジナルの「むーみんピザ」やコーヒー、オリーブティーなどを提供しています。また、毎週金・土曜の17:00~21:00は息子夫婦がお酒も飲める夜カフェ「CAFE ENTONE(カフェエントーン)」として営業。オープン日は多くはないですが、笑顔でおもてなしさせていただきますので、ぜひご来店ください。

続いて、カフェの奥にある図書スペース。こちらには絵本・児童書から小説やミュージックブック、自己啓発本とった大人向けの書籍までいろんな種類の本が混在しています。

野中さん:私、読書が好きで。そのきっかけになったのが、小学校の頃に図書館で出会った『ムーミン』シリーズなんです。だから図書スペースは絶対に作りたかったし、ムーミンの絵本も絶対に置きたかった。ただ、子どもでも大人でも、自分の心に響く本との出会いって偶然が大きいんですよ。だから、いろんなジャンルの本をざっと置いて、気軽に本を手に取れるような空間に設計しました。

「この本がいいよ」と押し付けるわけではなく、その人にとって何かのきっかけになるような1冊との出会いを後押ししていらっしゃる、と。

野中さん:その通りです。壁にニッチを設けて本棚やインテリアスペースとして使っているので、大人も子どももワクワクすること間違いなし。特に、お子様にとっては、小さな空間にたくさんの本が詰まっているので、秘密基地のような場所になるんじゃないかな。気になる本があれば店内のカウンターやテーブル席でも読書可能ですので、親子で過ごせるブックカフェのようにお使いいただけたら嬉しいです。

プロによる本格的な音楽コンサートから、セミナー、マルシェまで。リーズナブルな利用料金で地域のワクワクを実現するイベントホール

では「ムーミンティラ」のメインコンテンツ、ホールスペースを見ていきましょう。

野中さん:ホールスペースの広さは大体40㎡。地域の方々に利用していただくコミュニティホール・イベントホールなので、さまざまなシーンに合うよう白を基調にした空間となっています。前方には40cmほどの段差があるステージを設け、ヤマハのグランドピアノを設置。コンサートの素敵な音色を楽しめるよう、音の響きとステージの雰囲気(床・壁紙など)にはこだわりました。

ホールの収容人数は約40名。ステージの袖には控室も用意されていて、元ピアノ講師ならではのアイデアが感じられます。

野中さん:ありがとうございます。プロのコンサートはもちろん、発表会や音楽イベント、ピアノや吹奏楽アンサンブル等の個人練習の場所としても利用可能。大型のモニターも設置していますので、セミナー、勉強会、マルシェなどさまざまな企画に活用していただけます。「雲仙でこんなことをやってみたい!」を応援する場所。利用する皆さんのワクワクが、このホールのエネルギー源になっています。

オープンして1年半ほど経ちましたが、これまでどんなご利用がありましたか?

野中さん:やはり防音設備があるホールということで、地元の皆さんの音楽発表会からプロのコンサートまで音楽イベントが多いかな。やっぱり生の演奏を聴くというのはすごく良い体験になります。あと、地域の催し的なものだと子どもから大人まで楽しめるマルシェ。セミナーや勉強会の利用も良く入っている印象ですね。目の前に専用の駐車スペースがあるのもご好評いただいているんですよ。

野中さんにとって印象残っているイベントを教えてください。

野中さん:雲仙市愛野町にある中村眼科医院さんが企画された「中村眼科医院音楽会」です。全盲の患者さんおふたりによるヴァイオリンコンサートで、当日はホールに入れないほどのお客様が来場。私自身、音楽を通じて障害者に関わってきたので、その演奏に自然と涙があふれるほど心が震えました。利用してくださる皆さんの笑顔を見るたびに、この場所を作って良かった、と実感しています。

吾妻町ふるさと会館や国見町文化会館、地域の公民館といった公共施設が屋内イベント会場として選ばれていた雲仙市北部エリア。「いろいろな人にいろいろな企画で使用して欲しい」という野中オーナーの想いでオープンしたムーミンティラは利用料金が比較的リーズナブルのため、地域に住む人たちにとって新たな選択肢のひとつとして浸透しつつあります。

今回の記事を読んで「私もムーミンティラで何かやってみたい!」と思った人も多いのではないでしょうか。そんな皆さんのために、最後に、ムーミンティラのホール利用について簡単にご紹介したいと思います。ぜひ、皆さんのワクワクを実現させる場所として検討してみてくださいね。

【ホール利用料金】
フロア:1,000円/1時間
ステージ:300円/1時間
ピアノ:1,000円/1時間 ※3時間以上は3,000円
冷暖房:200円/1時間

※ホールの利用は原則予約制。その他の詳細はInstagramのDMもしくは電話090-4777-2291へお気軽にお問い合わせください。

取材・執筆/Komori Daigo

INFORMATION
フリースペースムーミンティラ

長崎県雲仙市吾妻町阿母名9-1 ( Google MAP